親知らずは抜いた方がいい?抜かなくてもいい?
親知らずは、早めに抜いた方がいいものと、すぐに抜く必要がないものに分けられます。
ただし、すぐに抜く必要がない親知らずも、経過観察していくことが大切です。
長岡市の山田歯科クリニックでは抜歯において適切な判断をさせていただきます。
親知らずを抜いた方がいいケース
虫歯・歯周病の原因になっている・なるかもしれない
親知らずが磨きにくかったり、歯茎を圧迫し炎症を起こすことで虫歯・歯周病を起こしている場合には、抜歯すべきと言えるでしょう。また、虫歯や歯周病になっていなくとも、近い将来そうなる可能性が高い場合、痛みや腫れがある場合にも、抜歯を検討します。
歯並びに悪影響を及ぼしている
親知らずが横を向いて生えている・横を向いて埋まっているという場合には、隣の歯を押して歯並びを乱す原因になることがあります。
含歯性嚢胞が生じている
親知らずを原因として、親知らずを囲むように嚢胞が生じることがあります(含歯性嚢胞)。治療では、その原因となっている親知らずを抜歯する必要があります。
親知らずを抜かなくてもよいケース
親知らずがあることで、虫歯・歯周病・歯並びの乱れなどの口腔トラブルを起こしておらず、近い将来もその可能性が低い場合には、親知らずも1本の歯として機能させていく方が良いと言えます。
「抜かなくてもいいですよ」と言われたあとも、定期的に歯科医院で診てもらい、親知らずがお口の健康を損なっていないことを確認していくことが大切です。
親知らず抜歯の通院回数と料金
親知らずの抜歯の通院回数は、基本的に4回必要になります。
ただし、傷口の治りが遅い場合には、抜歯後の通院が1~2回ほど追加で必要になることがあります。
1回目 | レントゲンの画像検査を行います。 抜歯の必要があると判断した場合には、抜歯日を決定します。 |
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2回目 | 抜歯処置を行います。 費用は、生えている親知らずで約2,000円、埋まっている親知らずで約5,000円ほどです(3割負担の場合)。 |
3回目 (抜歯翌日) |
消毒を行います。 |
4回目 (抜歯後 約1週間) |
治癒の確認を行います。 縫合した場合には、同日に抜糸します。 |
※あくまで目安ですので、患者様によって通院回数・金額が前後することがあります。
親知らずを抜歯すると小顔になるの?
親知らずに限らず、歯を抜いた(抜けた)場合には、その歯を支えていた顎の骨が部分的に吸収(溶けること)を起こします。
親知らずは歯列の一番奥にある歯ですから、その抜歯によって顎の骨が吸収を起こし、小顔に見えるようになることがあります。また、親知らずを使うために発達した筋肉が抜歯後に部分的に細くなり、同様の効果が現れることがあります。
ただ、小顔になりたいという理由だけで、正しく機能している親知らずを抜歯するのはおすすめしません。必ず小顔になるというものでもありませんので「小顔効果があればラッキーかな」という程度にお考えください。
親知らず抜歯後の注意事項
痛み・腫れについて
麻酔処置をして抜歯するため、抜歯そのものにはほとんど痛みを感じません。ただし麻酔が切れてからは、痛みが生じます。痛み止めを処方いたしますので、ご使用ください。
腫れについては、残念ながらほとんどコントロールできません。まったく腫れない方もいれば、ひどく腫れる方もいます。平均して、抜歯から3日後に腫れが一番強く現れます。氷嚢や冷却シートを使用すれば、腫れも多少は抑えられます。
ドライソケットについて
歯は顎の骨に支えられているため、抜歯直後はその穴から骨までが通じています。その後溜まった血が固まって穴は塞がりますが、舌や指や歯ブラシで触ったり、強いうがいなどをすると、血の塊が取れて骨が露出してしまいます。これを、ドライソケットと呼びます。食べ物が触れただけで激しく痛み、傷口の治りも遅くなります。物理的な刺激以外にも、長風呂・運動・飲酒などによる血行の促進もドライソケットの原因となります。抜歯後は一定期間、そういった行動をお控えくださいますよう、お願いします。
うがいについて
抜歯した当日中は、出血があります。気になりますが、グチュグチュとうがいをすると穴を塞ぎ始めた血の塊ごと取れてしまい、ドライソケットの原因となります。
うがいは避け、唾と一緒に吐き出す程度にとどめてください。
長風呂・運動・飲酒など血行を促進する行動について
長風呂、運動、飲酒は、少なくとも当日中は控えてください。
血行が促進され、出血がひどくなったり、ドライソケットを引き起こす原因になります。
痛み止め・抗生剤について
痛み止めを無理に飲む必要はありませんが、痛みを感じたときには我慢せずに飲んでください。
抗生剤は、指示を受けた通りに、必ずすべて飲み切ってください。
食事について
抜歯当日中から1週間ほどは、できるだけ、親知らずを抜いていない側の顎で噛むようにしてください。食べ物が傷口に触れ、出血してしまうことがあります。硬いもの、刺激物は避けるのが無難です。
歯磨きについて
抜歯当日から歯磨きをしてくださってかまいませんが、少なくとも1週間程度は、歯ブラシが傷口に触れないように注意してください。
親知らず抜歯Q&A
親知らずが横向きに生えているのですが、放置してしまったらどうなるのでしょうか?
隣の歯を押して歯並びを乱したり、歯茎で炎症を起こしたりといったことが起こります。痛み・腫れなどの症状がなくとも、一度歯科医院に相談されることをおすすめします。
親知らずを抜歯するタイミング・時期はいつがいいのでしょうか?
加齢とともに、顎の骨は硬くなります。また、虫歯・歯周病などがあると、麻酔が効きづらくなることがあります。「正しく生えていない親知らず」を放置するメリットはほとんどありませんので、20代のうちに一度ご相談ください。もちろん、それより早くご相談くださっても結構です。
親知らず抜歯にかかる時間はどのくらいですか?
親知らずの状態によって異なりますが、30分から90分程度とお考えください。
比較的時間を要するタイプとしては、完全または大部分が埋まっている親知らず、根の形状が複雑な親知らずなどが挙げられます。
親知らず抜歯後に合併症などが起こることがありますか?
神経を傷つけて痺れが残ったり、口腔と上顎洞がつながったりするケースなどがあります。これらのリスクを完全にゼロにすることはできませんが、事前の検査で状態を正確に把握しておくことで、最小限に抑えることは可能です。
また、抜歯のリスクについては必ず事前にご説明させていただきます。気になったことは遠慮なく、何でもお尋ねください。